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今回の聴きどころ

第90回(2022年2月)



◇第90回記念演奏会
 1976年1月、バッハの作品を集めた少人数の演奏会で衝撃的デビューを果たした当団ですが、小編成のオーケストラとして再出発した第2回(1977.1)以降は、年2回の演奏会をノルマとして続けてきた結果、今回の演奏会で90回を数えます。苦節45年余り、崩壊の危機は何度もありましたが、そのたびに乗り越えてここまで到達しました。お蔭様で、近年の厳しい状況の中でも中止することなく無事演奏会を開催することができました。

 創設時から当団を牽引してきた前任指揮者山本誠一郎氏の勇退に伴い、第79回(2016.9)からは平川範幸氏を指揮者に迎え、「新生ディマンシュ」として組織体制を一新し、現在まで活動を続けています。また、2018年頃から当団のスキルアップを図るため東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団コンサートマスターの戸澤哲夫氏にもトレーナーとして練習を指導していただいています。

 今回は、第90回という節目の演奏会を記念し、前述の戸澤哲夫氏をソリストとしてお招きして、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を演奏します。この曲の同氏との協演は第65回演奏会(2009.9)以来二度目になりますが、新たな指導者を得て、団員も年を重ねてスキルアップしていると思われるため、一味違った演奏になると期待しています。また、第81回(2017.9)では平川氏の指揮でブラームスのヴァイオリン協奏曲を協演しており、4年半ぶりの同じコンビでの演奏となります。

◇オール・ベートーヴェン・プログラム
 2020年はベートーヴェン(1770-1826)の生誕250年を迎える年でした。それを記念して、当団は、第83回演奏会(2018.9)の交響曲第1番を皮切りに、ベートーヴェンの交響曲を番号順に演奏してきました。前回の第89回(2021.9)では第6番「田園」を取り上げました。今回は、それに続く交響曲第7番の登場です。

 某放送局が数年前にベートーヴェンの作品の人気度を街頭調査したところ、第1位は下馬評どおり「第九」でしたが、第2位は、「運命」や「田園」、「英雄」という知名度の高い交響曲を押さえて、「第7番」という結果でした。これは意外でしたが、10数年前に音大生のオーケストラをテーマとしたテレビドラマが放映され、その主題曲として採用されたことが要因でしょうか。

 今回は、この交響曲第7番の前に、序曲「コリオラン」ヴァイオリン協奏曲を置いた「オール・ベートーヴェン・プログラム」としました。ベートーヴェンは、当団の演奏会の歴史の中で、最も多く取り上げた作曲家ですが、意外にもベートーヴェンに特化したプログラムは初めてです。あまり知られていない作品をプログラムに取り入れることが多かった当団ですが、今回は知名度の高い作品ばかりを集めた「王道」とも言えるプログラムに挑戦します。


【参考】 ◇過去の演奏会におけるベートーヴェンの曲別演奏回数
交響曲第1番          4回
交響曲第2番          3回
交響曲第3番「英雄」      4回
交響曲第4番          3回
交響曲第5番「運命」      4回
交響曲第6番「田園」      4回
交響曲第7番          2回 (今回は含まず。)
交響曲第8番          3回
交響曲第9番「合唱付き」    1回 (妻沼町(現熊谷市)町制40周年特別演奏会)

ピアノ協奏曲第4番       1回
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」   1回
ヴァイオリン協奏曲      1回 (今回は含まず。)

「プロメテウスの創造物」序曲 1回
レオノーレ序曲第3番      2回
「エグモント」序曲      1回
序曲「コリオラン」      1回 (今回は含まず。)
「アテネの廃墟」序曲     1回

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