演奏会情報


アンサンブル ディマンシュ 第98回演奏会

*日時:2026年2月21日(土)14時開演(13時30分開場)
*場所:光が丘 IMAホール

*曲目:~30代で逝った二人の天才作曲家の作品~
曲目:  モーツァルト   歌劇「イドメネオ」序曲 K.366
曲目:  モーツァルト   交響曲第40番ト短調 K.550(改訂版)
曲目:  メンデルスゾーン 交響曲第1番ハ短調 Op.11

     指揮:平川 範幸


*入場料:1,000円(全席自由)


今回の聴きどころ


~30代で逝った二人の天才作曲家の作品~

 今回は、前半にモーツァルト(1756-91)の序曲と交響曲、後半にメンデルスゾーン(1809-47)の交響曲を取り上げます。この二人の作曲家には共通点があります。モーツァルトは5歳頃、メンデルスゾーンは9歳頃から作曲を始め、どちらも「神童」と呼ばれていました。成長後は天才作曲家として期待されていましたが、「天才短命」と言われるように、モーツァルトは35歳、メンデルスゾーンは38歳という若さで亡くなってしまいます。今回は30代で逝った二人の天才作曲家の作品でプログラムを構成しました。特に、モーツァルトが晩年(と言っても32歳の時)に書いたト短調の交響曲と、この交響曲の影響を受けて、メンデルスゾーンが弱冠15歳の時に書いたハ短調の交響曲を聴き比べていただきたいと思います。

◆人気の高い短調の交響曲~モーツァルト:交響曲第40番ト短調
 この曲は、言わずと知れたモーツァルトの交響曲の中で第41番「ジュピター」と並んで1・2位を争う人気のある曲で、映画音楽を始め、テレビCM、ポップスなどいろいろな曲に編曲されており、果ては小説の中の一節にも登場します。しかしながら、この曲には愛称がありません。巷では「40番」と呼ばれています。愛称がないのに人気がある最大の理由は、「短調」の哀愁を帯びた旋律にあるのでしょう。モーツァルトの交響曲の中で短調の曲は2曲しかありません。もう1曲は第25番で、どちらもト短調という共通点があります。第25番は、1985年に日本で公開された「アマデウス」というモーツァルトを題材にした映画の挿入曲として使われたことで、一躍有名になりました。(若い人はこの映画すら知らないかもしれませんが...。)当団でも、第94回演奏会(2024.2.11)で取り上げています。2曲のト短調の曲を区別するために第25番を「小ト短調」、この曲を「大ト短調」という呼び方もあるのですが、この呼び方はあまり普及していません。この曲を「大」と呼ぶには、演奏時間や楽器編成など、規模が小さすぎるからでしょうか。それよりも「哀愁」とか「悲しみ」などの愛称を付けて区別した方がよいと思うのですが、残念ながらこの曲には誰も愛称を付けようとしませんでした。そう言えば、1972年頃に、シルヴィ・バルタンというフランスのポピュラー歌手がこの曲の第1楽章の旋律に歌詞を付けた曲を歌っていました。日本では「哀しみのシンフォニー」(原題は「Caro Mozart(親愛なるモーツァルト)」)という題で大ヒットしました。(若い人は知らないかもしれませんが...。)この愛称でどうでしょうか。

 この曲には、初稿版と改訂版の二つの版があります。初稿版は1788年7月に完成していますが、このときの管楽器の編成は、フルート1本にオーボエ・ファゴット・ホルン各2本でした。この楽器編成は、3年前の1785年にハイドン(1732-1809)が作曲した同じト短調の交響曲第83番「めんどり」と同じで、この初稿版は「めんどり」を参考に書かれたのではないかと思われます。この楽器編成はハイドンの交響曲にはよく見られますが、モーツァルトの交響曲では、この初稿版以外ありません。モーツァルトは、その後、2本のクラリネットを加えて初稿版を改訂しています。この改訂版は、単に初稿版にクラリネットを加えたものではなく、オーボエが担当していた部分の多くをくすんだ音色のクラリネットに置き換えることにより、初稿版とは全く趣きの異なったものとなっています。現在よく演奏されているのはこの改訂版で、当団も改訂版で演奏します。

 さて、当団は、過去97回の演奏会の中で、第3回(1978.9.2)、第24回(1989.1.21)、第69回(2011.9.24) にこの曲を演奏しており、今回で4回目になります。直近からも14年以上経過しており、指揮者が替わっているほか、その時のメンバーの3分の2は入れ替わっているため、新たな「40番」が聴かせられると思います。

◆「40番」の影響を受けた交響曲~メンデルスゾーン:交響曲第1番ハ短調
 この曲は、メンデルスゾーンが僅か15歳のときに書いた初めての管弦楽のための交響曲です。15歳にしては、その完成度が高くメンデルスゾーンの天才ぶりが認められます。それもそのはず、メンデルスゾーンは12歳~14歳の時に12曲(未完成作品は含まず。)の弦楽のための交響曲を書いており、この曲は13番目の交響曲に当たるからです。若きメンデルスゾーンの交響曲の経験としては、充分過ぎるくらいです。事実、この曲の自筆譜には「交響曲第13番」と書かれていたようです。結局、出版の際に弦楽のものとは分けて「交響曲第1番」とされました。完成度が高いとは言え、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ウェーバーなどの作曲家の影響が随所に見られることは否めません。特に第3楽章と第4楽章には、今回同じプログラムで演奏するモーツァルトの交響曲第40番の影響が感じられます。この関連深い2曲の交響曲が同じ演奏会で相まみえるのは珍しいので、当演奏会で聴き比べていただきたいと思います。

 この曲は、第63回(2008.10.11)~第69回(2011.9.24)の演奏会で企画された「交響曲第1番シリーズ」の一環として、第65回(2009.9.20)で取り上げています。このシリーズでは、あまり知られてない作曲家の交響曲第1番や有名な作曲家でもあまり演奏されない交響曲第1番などを7回に亘ってシリーズで取り上げました。


指揮者紹介

平川範幸(ひらかわ のりゆき)

福岡県出身。 福岡教育大学卒業。上野学園大学研究生<指揮専門>にて下野竜也、大河内雅彦の各氏に師事。桐朋学園大学オープンカレッジにて、黒岩英臣、沼尻竜典の各氏に師事。音楽理論を中原達彦氏に、ピアノを田中美江氏に師事。
東京音楽大学特別講座にて、パーヴォ・ヤルヴィの指揮公開マスタークラスを受講。その模様がNHK「クラシック音楽館」にて放送される。
新日鉄住金文化財団指揮研究員として、紀尾井シンフォニエッタ東京、東京フィルハーモニー交響楽団の下で活動する。その後東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団指揮研究員として、宮本文昭、飯守泰次郎、矢崎彦太郎の各氏をはじめとする指揮者の下で研鑽を積む。 2016年、サントリーホールで開催された「こどもたちのコンサート」特別公演にて、ウィーン・フィルのメンバーと仙台ジュニアオーケストラの合同演奏を指揮する。同年、浜松フィルハーモニー管弦楽団の演奏会にて、ベルリン・フィルのオーボエ奏者、クリストフ・ハルトマンやクラリネット奏者のヴェンツェル・フックス、ホルン奏者のシュテファン・ドゥ・ルヴァル・イェジエンスキーの各氏らと共演する。
これまでに、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、大阪交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢、仙台フィルハーモニー管弦楽団、千葉交響楽団、九州交響楽団、東京混声合唱団、広島ウインドオーケストラなどを指揮する。
2016年より2021年まで、仙台ジュニアオーケストラ音楽監督を務める。
2024年に大阪交響楽団、九州交響楽団それぞれの主催公演を指揮する。
2025年より、福岡教育大学非常勤講師を務める。


楽団紹介


アマチュアだからこそ出来る音楽を求めて45年
アンサンブル ディマンシュは楽器で会話できるオーケストラをめざしています



2022年、第90回を迎えました

コンセプト

当団のモットーは、「アマチュアオーケストラだからこそできる最高の音楽を追究する」です。上意下達ではなく、団員同士が意見を言い合い、一人ひとりがソリストのような気持ちで演奏に参加して、創造性のある音楽を築いていくことを目指しています。


演奏


 


最新情報&更新情報


2025.10.10 第98回演奏会のお知らせを掲載しました
2025.10.10 第98回の「今回の聴きどころ」を追加しました
2025.10.10 演奏曲目第81回~ に第97回演奏会を追加しました
2025.06.19 演奏会のお知らせ に 第98回演奏会の日程を追加しました
2018.08.15 Twitterはじめました
2016.07.01 ホームページをリニューアルしました


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ご注意
当団は、アンサンブル・ディマンシュ香港、オーケストラ・ディマンシュ、
アンサンブル・ディマンシュ(前橋市)、アンサンブル・ディマンシュ(高槻市)、
アンサンブル ディマンシュ(兵庫県の弦楽四重奏団)等とは別の団体です。

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